2010-11シーズンを終えて

2010年の永いと思っていたシーズンもあっという間に終わってしまいました。
ファストホッケーでの観戦やアメリカまできて、応援して頂いたにも関わらずチームは残念ながらプレーオフに進出することは出来ませんでした。この場を借りてお詫びとお礼を申し上げます。本当に暖かい応援を頂き、ありがとうございました。

私も1年間通してアメリカでコーチをするのが初めてで、このリーグに日本人選手が参加するのも初めてなシーズンで日本旋風を巻き起こすという甘い考えは通じませんでした。
開幕から約半分経過した2010年の12月までは得点力が他を圧倒して勝ち数を伸ばし、順調にいっていたのですが、年が明けて後半戦のスタートをつまづき、そこからチームが失速してしまいました。得点力で勝ってきたチームだけにしっかりと守られて得点がなかなか奪えないと、選手たちが焦り始め、なおさら得点を取りに行こうとするプレーが多くなり、そこに穴が出来て少ないチャンスを決められてしまうという、悪循環を繰り返しそこを最後まで修正することができなかったようにおもいます。伝えたいことがなかなか言葉として出ないのが非常に歯痒さを感じました。

今野君はレギュラーシーズンが58試合で毎週末2ゲームか3ゲームあるシーズンを経験したことがなかったので、日本の学生リーグのように短期間に4・5試合をして終わるのと違い、シーズン通しての集中力とモチベーション、コンディショニングの維持が大変だったように思います。しかし、シーズン当初からみるとパックキープ率、ボディコンタクトは確実に良くなっています。敵ゾーンコーナーでパックをキープしチャンスを数多く作っていました。日本に戻った今野君を見る時に敵になかなかパックを奪われないというところに注目してもらえればと思います。

最後にアメリカと日本ホッケーの違いについての感想です。
   よく日本のプロ野球でもベースボールと野球の違いみたいな話が聞かれます。ホッケーも同じで硬式野球と軟式野球のような違いがあるのではないかと感じました。敵がいないシュート練習やスキル練習では日本人もアメリカ人も変わりはないしスケーティングだけをとれば明らかに日本人の方が優れていると改めて感じました。

ただ、試合となったときにアメリカ人選手たちのパックに対する執着心、自分がゴールするんだという執着心は全く敵わないと思いました。パックを敵から奪われない様に身体で守るプレー・ボード際でのパックの取り合いでの身体の使い方ゴール前での攻防、どれをとっても激しく日本ではなかなか見られないプレーが多くあります。
また、パックを恐れずに身体で止めたりするプレーも多く、DFからのシュートがなかなかゴールまで行かないことが多くびっくりしました。まだまだ小さな違いはたくさんありますが、大きく感じた点をあげてみました。
サッカーでもそうですが、今野君のように日本人選手の多くが、この様なホッケーになれていくことが日本のレベルを上げていくことに繋がるように思いました。決して日本人のスキルが劣っているとかではありません。この激しいホッケーに対応する習慣を身につけなければ、日本が世界のトップクラスに入っていくのは難しいと強く感じたシーズンでした。

また、日本に戻ってスクールに行った時に少しでも皆さんにここで吸収したものをお伝えできたらと思っています。

1年間、応援ありがとうございました。そして2011-12シーズンもよろしくお願い致します。

                                                                                                                                                岩本裕司